神奈川の公立高校はこう変わる!

2017年度入試よりすべての公立高校でマークシート方式が導入されました
2017(平成29)年度公立高校入学者選抜の共通選抜において、マークシート方式を導入した試験が実施されました。マークシートの導入で、今回最も影響があった科目は国語でした。全体の8割が記号選択問題になり、書き取りと心情記述が選択式になったこともあり、平均点は昨年より8点以上高い73.1点となりました。
出所)神奈川県教育委員会「神奈川県公立高校入学者選抜におけるマークシート方式の導入について」
NEW! 2018年度 選考基準公表!
2018年度 公立高校入試日程 2017年度公立高校入試得点分布
公立高校入試倍率は今年も1.20倍
2017年度の公立高校入試(全日制)の実質倍率は昨年と同じ1.20倍、定員割れは昨年より5校増えた18校でした。
【神奈川県公立高校入試受験状況】(全日制)
年度 |
募集 |
受験 |
受験後取消 |
合格 |
実質倍率 |
定員割れ校数 |
欠員 |
倍率1.5倍以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017 |
43,593 |
52,321 |
292 |
43,476 |
1.20 |
18 |
180 |
9 |
2016 |
43,750 |
52,638 |
310 |
43,609 |
1.20 |
13 |
245 |
12 |
2015 |
43,300 |
51,471 |
314 |
43,291 |
1.18 |
15 |
105 |
15 |
2014 |
43,760 |
51,932 |
391 |
43,849 |
1.18 |
7 |
35 |
11 |
2013 |
42,560 |
49,971 |
341 |
42,513 |
1.17 |
23 |
180 |
15 |
神奈川県公立高校改革が2016年度から始まりました
神奈川県公立高校改革がこれからいよいよ始まります。新入試制度と2016年度から始まる「県立高校改革」についてみていきましょう。
【1】受験生全員に「意欲」と「思考力・判断力・表現力」を
「前期・後期選抜」が見直され、2013年度から新たな入試制度「共通選抜」がスタートしました。その特徴は次の4点です。
- 1.全員が学力検査と面接を受検する
- 2.学力検査は100点満点、記述式解答も増える
- 3.必要に応じて「特色検査」を実施できる
- 4.各校がその特色に応じて選抜資料の比重を変えることができる
「意欲」と「思考力・判断力・表現力」を測るために全員が面接と学力検査を受ける、全国的にも珍しい入試制度です。複数の面接官が面接を行うことや、開示得点に面接得点も加えるなど、透明性の高い面接を目指しています。
これまで神奈川県の公立高校学力検査は比較的平易な問題でした。しかし「思考力・判断力・表現力」がより重視され、合格者平均点も下がりました。さらに湘南・横浜翠嵐・柏陽などが実施している特色検査は、教科横断型・総合型の出題形式で、公立中高一貫校適性検査と共通するものです。
「平成29年度公立高校 選考基準及び特色検査の概要(案)」【2】神奈川県公立高校学力検査合格者平均点 (100点満点)
合格者平均 | 英 | 数 | 国 | 理 | 社 |
---|---|---|---|---|---|
2017年度 |
51.9 |
63.5 |
73.1 |
46.9 |
54.5 |
2016年度 |
43.0 |
51.7 |
64.7 |
46.5 |
52.0 |
2015年度 |
51.8 |
52.6 |
64.4 |
37.4 |
50.2 |
2014年度 |
59.6 |
51.7 |
60.8 |
38.6 |
49.5 |
2013年度 |
54.8 |
65.5 |
67.8 |
66.4 |
51.1 |
中学生の分かりやすい学力到達目標は入試問題です。英語も「入試のための英語」ではなく「コミュニケーションツールとしての英語力」を問う、これからの大学入試にも通じるものとなっています。中学生は「入試で満点を取る」を目標に、特色検査対応力も含め学習をしっかり積んでいきたいものです。その力は高校進学のみならず、新時代の大学入試にも大きな武器となるはずです。
【3】2016年度から3期12年間(2016年度~2027年度)にわたって実施される改革の柱
それでは県立高校改革についてみていきましょう。
神奈川県では戦後3回目となる大規模な改革計画が3期12年にわたりいよいよスタートします。その改革の柱は次の3つです。
- 1.生徒の多様性(ダイバーシティー)を尊重し、個性や能力を伸ばす、質の高い教育の実現
- 2.魅力ある学校づくりを一層推進する学校経営力の向上
- 3.少子化社会の中で生徒に望ましい教育を推進する県立高校の再編・統合
改革は5つの地域に分け、実施されていきます(【3】参照)。中学生と保護者にとって関心の高い2点に絞ってみていきます。一つは「再編・統合」です。前回改革では166校から23校減り143校となりました。今回は142校から20~30校を減らす計画です。前回改革より生徒数の減少は緩やかですが、「適正な学校規模」を現在の1学年6~8学級から1学年8~10学級へと大規模化し、前回と同規模の削減を行うというのがポイントです。県立高校は1学年320名から400名規模の高校になっていきます。
●県立高校改革 Ⅰ期の主な指定校 ※( )内の数字は実施計画(全体)での校数
【4】進学重点校はどうなる?
もう一つが「学力向上進学重点校」についてです。2015年度で指定が終了する18校に代わり、「エントリー校」が17校指定されました。秦野・横浜国際・追浜が抜け、茅ヶ崎北陵・横浜平沼が加わった17校のうち10校程度を2018年度に正式に指定するというわけです。
<学力向上進学重点校エントリー校 17校>
横浜翠嵐高校、横浜平沼高校、横浜緑ケ丘高校、光陵高校、希望ケ丘高校、川和高校、柏陽高校、多摩高校、相模原高校、横須賀高校、平塚江南高校、鎌倉高校、湘南高校、小田原高校、茅ケ崎北陵高校、厚木高校、大和高校
神奈川県の大学進学率は東京と並び全国トップクラスです。多くの中学生にとって高校選択の大切な視点の一つとなっていますし、進学重点校の平均倍率は、ずっと全体平均よりも高く推移していました。そんな中、これまで18校あった指定校が10校程度に減るというのは、中学生の進路選択に少なからず影響を与えます。
【5】自分の適性に合った高校選びを
これからは高校が多種多様化し、自分の適性に合った高校選びがより重要になります。自分の夢と目標をしっかり持ち、それを実現するためにはどの学校が最適なのか、自分の個性や能力を伸ばすことが出来る学校はどこなのかを考えて、じっくり学校を選びをする必要があります。これまでのように単に偏差値だけで学校を選ぶ時代は終わりました。自分が将来何をしたいのか、どういう職業に就きたいのかを真剣に考えて進路を選ぶことが大切です。
生徒一人ひとりに合わせたアドバイス
高校受験は自らの人生を選択する初めての機会です。
夢と目標をしっかり持ち、努力を重ねて自らの手で道を切り開く。その望ましい姿をバックアップするために、CGパーソナルでは、生徒・保護者に対して無料でアドバイスを行っております。受験を控えている生徒や保護者の方のための無料学習相談をいつでも受け付けておりますので、お気軽にお問い合せください。
※無料学習相談をしたからといって入塾しなければならないということは全くありません。