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2015年02月06日
2015(平成27)年度適性検査講評

平成27年度 横浜市立南高校附属中 適性検査分析

適性検査Ⅰは、「新幹線」をテーマにした3つの文章が素材文として使われた。文章内容を問う問題やテーマをとらえる問題が3題出題されたが、どれも選択問題で取り組みやすい難度といえる。「新幹線新聞」を作成するという設定で、文章内容を、新聞記事として300字~350字に要約し、それについて自分の考えを、体験をふまえて200字~250字でコラムとしてまとめるという新傾向の作文が出題されたことは目を引く。

適性検査Ⅱは、「数理(算数)的な問題」と「自然科学(理科)の問題」から構成されている。昨年同様、大設問4題で、小設問数は同じであったが、1つの設問に対して複数の答えを求める問題もあり、受検生は数多くの作業や計算を求められた。本校の特徴ともいえる、算数的あるいは理科的な問題で計算をともなう設問は全体で3/4を占めており、昨年より増加しているため、確実に解けるところから解くことが求められ、時間配分を適切に行う必要があった。理科に関しては、「素数ゼミ」と「太陽の動き」の問題であった。単純に知識(理科の用語や語句)を問う問題はなく、どの問題も資料や表が多く用いられているので、情報を整理する力が要る。時間を意識して十分に練習を積んでおくことが必要となる。

適性検査Ⅲは、教科を融合する形式で、大問4題、小問23題の構成で出題された。1は、目的地まで行く方法や費用を考えたり、地図を読み取ったりする問題が出題された。資料から必要な情報を読み取って整理する力が必要といえる。2は、選挙をテーマに、資料をもとに割合を求めたり、複数の資料を比較して答えたりする問題が出題された。なお、日本国憲法の「国民主権」を答えさせる公民分野の問題があったことは新傾向といえる。3は、リモコンの操作を題材に、細かな作業をしながら答える問題だった。4は、体力テストのデータをもとに資料を特定したり照合したりする問題の他に、文章中の空欄に入る表現を20字以内で記述する問題があった。適性検査Ⅲは,社会科の基礎知識や計算力を土台に、資料を整理しつつ細かな作業や複数回の計算をして答える力が求められる。

中萬学院 国語科教科長 山口 修

平成27年度 川崎市立川崎高校附属中 適性検査分析

適性検査Ⅰは、文章の読み取りと作文の問題1、資料を分析したり、文章の説明をふまえて思考する問題2という構成は昨年同様だが、問題2で自分の意見を記述する問題は、本文の説明をふまえてポスターを作図し、工夫した点を述べるという形式になった。問題1「……と思います」という日本語の表現について、異なる立場で意見を述べた二つの文章が出題されたが、読み取りやすい内容である。10問中8問が、漢字や語句、文章内容に関する国語の問題で、どれも標準的な難度。記述問題は1題が自分の考えを書く問題で、もう1題が作文。作文は、学校生活で相手に自分の気持ちの伝え方の工夫についての考えを360字から400字で書く問題であった。「日ごろ気になる日本語の使用例」を挙げる必要があるため、適切な具体例を出せるかどうかもポイントとなる。問題2は、フランスの話題を皮切りに、各国の観光客数、旅行収入・旅行支出のグラフを読み取る(1)・(2)と、言葉を用いずに図や絵のデザインで情報を伝達する「ピクトグラム」についての(3)~(5)、「総合的な学習の時間」におけるふさわしい態度を考える(6)の、合計6問構成。資料の読み取りの過程で計算を求められる問題はあるものの、取り組みやすい難度であった。

適性検査Ⅱは、自然科学(理科)的な問題や数理(算数)的な問題を分析し考察する力、また、解決に向けて思考・判断し、的確に表現する力をみる適性検査であった。昨年度は単位換算や小数の計算をふくむ「速さ」の出題があったが、今年は「面積」の出題であった。大問3題で、小設問数17は昨年並みで、多くの資料や表、グラフを読み取って考察して問題を解く必要があった。また、教科的な知識を問う問題はほとんどなく、適性検査らしい問題であったといえる。他の県内の公立中高一貫校の適性検査と比べると、理由や説明を記述する問題の出題が多いのが特徴的である。

中萬学院 国語科教科長 山口 修

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