
子どもたちとの日々の会話の中でいつも感じることがあります。それは、「単語で話してくること」「略語で話してくること」の2つです。
単語で話すのは、例えば、「どのように感じた?」という子どもへの質問に「ビミョー」と答えてきます。よくあることといえばそうなのですが、具体的には全く伝わりません。また、略語についても同様です。会話でも「エモい」「エグい」などの表現がよく使われますが、本来の意味を理解して使っているかというと、まさに「微妙」です。
これらの言葉は、大きな括りでどんな時にも使える便利さはあるものの、反対に細かな表現が伝わりません。即ち、こういった言葉を日常的に使い続けていると、小説文や論説文などで表現されている細かな表現が理解できなくなってしまいます。国語の問題では、登場人物の心情を読み取ったり、それを説明する記述問題があったりします。その場合に、何が書いているのかわからないというだけにとどまらず、何を書いたらいいのかわからない、どう書いたら良いのかわからない、ということになります。
本を読まないことで語彙が少ない、ということを以前にもお話しました。しかし日常的に口にしている言葉の表現力が乏しいと、文章を読んで理解する力も減退してしまいます。普段の生活の中で話をしている言葉にも気を付けていくことが重要です。もともと日本語は、表現が非常に繊細で多岐にわたります。正しい日本語を使えるよう指導していくのも私たちの使命であると感じています。
中萬学院 個別指導事業部 加藤寛樹