
前回は、日本の二十四節気についてお話ししましたが、間もなく新しい年を迎える時期でもありますので、今回は日本の正月の代表的な食文化ともいえる「お雑煮」についてお話しいたします。
そもそも雑煮は室町時代から食べられていたとされています。しかし、当時雑煮を食べていたのは上流貴族であり、まだまだ一般市民が口にできるものではなかったようです。それが、庶民も正月に雑煮を食べるようになったのは江戸時代後期になってからです。
また、日本の地域によって雑煮も大きく異なるようです。東日本は「角餅」で「すまし汁」、関西は「丸餅」で「白味噌」、西日本は「丸餅」で「すまし汁」のようになっています。そのほかの具材も鶏肉だったり、魚介だったり、山菜中心だったり、滋賀県などは鮒ずしのご飯(発酵米)を入れる地域もあるそうです。また、雑煮に入れる餅も、「焼く」、「焼かない」という違いもあったりします。この狭い日本に「雑煮」一つとっても多種多様な種類が存在しているのは、他の国にはあまりない非常に珍しいことではないでしょうか。
これから年末年始にかけて田舎へ帰省する方も多くなります。お正月を実家で迎える方は、その地域の雑煮がどんなふうに作られているか興味を持っていただくのもおもしろいと思います。
このおまもりナビが、2025年の最後になります。新しい年が皆さんにとって良い年になることを心より願っております。
中萬学院 個別指導事業部 加藤寛樹



