
「将来の夢は何?」と聞かれると、お子さんはどんな顔をしますか。目を輝かせてすらすら答える子がいる一方で、「うーん…」と黙り込んでしまう子も少なくありません。
「うちの子、将来のことをまったく考えていなくて…」と心配されている保護者の方も多いかもしれませんが、小学生・中学生のうちに夢が決まっていないことは、決して問題ではありません。大切なのは「何になるか」を決めることよりも、「自分は何が好きで、何が得意か」を少しずつ知っていくことです。そして夏休みは、親子でそれをゆっくり話せる絶好の機会でもあります。
「夢」は職業だけではない
「将来の夢は?」と聞かれると、どうしても職業を答えなければいけないような気になってしまいます。でも夢は、職業だけではありません。「たくさんの人を笑顔にしたい」「外国に住んでみたい」「動物と一緒に過ごしたい」、そういった「こんな生き方をしたい」という気持ちも、立派な夢のひとつです。
小学生になりたい職業の理由を聞くと、「家族や友達を喜ばせたい」「好きなことを仕事にしたい」など、日頃の体験や感情が自然に将来像へとつながっているケースがほとんどです。つまり、お子さんが毎日感じている「好き」や「楽しい」という気持ちこそが、将来を考えるための大切な種になっているのです。
夏休みは「好き」を深める絶好のチャンス
学校がある時期は、学校の授業・部活・習い事など限られた時間の中で決められたことを行う時間が多い毎日です。夏休みはその縛りがなく、自分の興味があることにじっくり時間をかけられる、1年の中でも特別な期間です。
例えば、自由研究のテーマを選ぶとき、「何でもいいよ」と言われたら何を選びますか。虫が好きな子は虫を、料理が好きな子は料理を選ぶはずです。そのとき「なんでこれが好きなんだろう」「もっと知りたいな」と感じることが、将来の方向性を探るヒントになります。
今年の夏、お子さんが熱中しているものがあれば、ぜひそのまま深く掘り下げさせてあげてください。1冊本を読む、実際に体験しに行く、詳しい人に話を聞く。その積み重ねが「好き」を「本物の興味」へと育てていきます。
親子で話すときのヒント
将来のことを話すとき、「それって仕事になるの?」「もっと現実的に考えて」という言葉は、できるだけ避けてあげてほしいと思います。小学生・中学生のうちは、夢の「実現可能性」より「好きであること」のほうがずっと大切です。
お子さんが語る夢を否定せず、「それのどんなところが好きなの?」「やってみてどうだった?」と一歩掘り下げる問いかけをしてみてください。夕食の席や、お出かけの車の中など、ふとした時間に話しやすい雰囲気をつくってあげるだけで、子どもは自分の「好き」を言葉にしようとします。その言葉を、どうかじっくり聞いてあげてください。
答えを急かすのではなく、子どもが自分の内側にある「好き」に気づくためにそばにいてあげること。それが、今の時期に保護者の方ができる一番大切なことではないかと思います。
将来の夢は、夏休みが終わるまでに決めなくて構いません。でも、この夏に「好き」について親子でじっくり話せたなら、それはお子さんにとってかけがえのない時間になるはずです。



